2017年09月08日

キンモクセイの香り

先生の説明を受けたあと、息子はまた検査になった。
検査中の息子を待っている間に、私はスマホでその病気について調べた。

多発性硬化症とは・・・

「多発性硬化症(Multiple Sclerosis=MS)は脳や脊髄、視神経などの中枢神経に炎症が起こり、多様な神経症状(視覚障害、感覚低下など)を繰り返しながら進行していく病気です。様々な研究が進んでいますが、現在のところ根治する方法はなく、国の指定難病の一つになっています」

「何らかのウイルスが体内に侵入してきたとき、通常は外敵から体を守るために免疫の仕組みが働いて、血液中のリンパ球が、ウイルスに攻撃をしかけます。ところが、ウイルスではなく、自分自身の組織を攻撃してしまうことがあります。これを『自己免疫疾患』と呼び、多発性硬化症も自己免疫疾患とされています」


どんな症状なのか調べていたら、怖くなってきた。
本当は昨日の夜、せめて基礎知識だけでも・・・と思って調べてて
少しだけ分かってるつもりだった。
でも、私の息子がそんなはずない!なんて思ってたんだ。

それでも・・・まだ確定したわけじゃない。
他の病気かもしれないから検査してるんだ。

私はそうやって自分を納得させた。

検査が終わって戻ってきた息子は、車椅子だった。

「胸の辺りから下全部、プラスチックか何かで覆われているみたい」

本当につらいのは、私じゃない。目の前の息子だ。
情報があふれているこの時代に自分の病気を調べない人などいないのではないか。

だけど、私の息子はとても前向きで
会社の人がお見舞いに来てくれて、自分のポジションを空けておいてくれると言われ
早くいつも通りに仕事がしたい、と言っていた。
遅い夏休みを長めにもらった、と。

面会時間終了時刻になって担当の看護師さんに挨拶をし、私は病院を後にした。
一人になった途端に、いろんなことが頭に浮かんだ。

ずいぶん涼しくなった8月の終わり。
どこからか、キンモクセイの香りがした。
周りを見渡しても見当たらない。きっと気のせい。
でも確かに、キンモクセイの香りだった。



posted by 鈴 at 20:00| Comment(1) | 病気のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする